【必読】社宅代行サービスを徹底解説
社宅代行サービス利用の注意点や業務内容、基礎知識などをまとめています。
社宅代行サービスの導入で気をつけたいこと
企業が社宅代行サービスを導入する前にやるべきことは、目的を明確にし、アウトソースすべき業務を整理してあらかじめ選んでおくこと。
社宅代行サービスは、その名の通り企業の社宅管理業務を代行するサービスです。企業は煩雑でコストがかかる社宅管理をアウトソースすることで、業務負担を減らすために利用します。
委託できる業務内容のメインは建物の管理、入居・退去管理、入居者対応などです。社宅には2種類あり、社有社宅であればこれに資産管理が加わり、借り上げ社宅の場合は物件の手配や契約・更新手続きもサービス項目に入ります。
導入にあたっては、まず現状のヒアリング。その後、代行会社から請負う業務内容の提案をもらいます。最終的に自社にとってどの程度効果を見込めるかを判断した上で契約を結びましょう。
自社で回したほうがいいか、代行サービスに任せたほうがいいかをあらかじめ明確にしておけば、スムーズな判断を下せるはずです。
社宅代行業者を選ぶ際には、自社の求める業務内容と業者の得意分野がマッチしているか、実績が豊富でサポート体制は整っているか、そして何より社員が満足する住環境を実現できるかがポイントになります。
複雑化するばかりの社宅管理業務
そもそも社宅代行サービスが求められるようになったのは、会社の社宅に対する考え方が変わり、社有社宅から借り上げ社宅へと転換するケースが多くなったという背景があります。
借り上げ社宅は一般の賃貸住宅を社宅として使用するため、不動産の専門的知識や物件探し、契約・更新などの手続きが必要になります。
こうした業務を社内の担当者が行い管理していくには限界があり、特に全国に社宅を持っている会社では、社宅代行サービスを利用したほうが安上がりで業務負担も少なくて済むのです。
さらにマイナンバー制度の導入により社宅管理業務はますます複雑化するので、社宅代行サービス利用のメリットは以前より大きくなると考えられます。
詳細ページでは、社宅代行のメリットやマイナンバー制度の影響、補助ツールとしての社宅管理システムについても解説していますので是非参考にしてください。
社宅代行会社を利用するメリットを詳しく紹介
各地に支店を持っているような大企業の場合、社員に対して福利厚生の一環として住宅手当や社宅を提供しているところもあります。
一見すると敷金礼金や原状復帰費用のかかる借上げ社宅は出費が多そうなイメージがありますが、実は住宅手当のみを支給するよりも得になるケースが多いのです。
実質的に社員が負担する金額が同じだったとしても、所得税で考えると負担の大きさに違いが出てきます。家賃が6万円の賃貸物件に住んでいる場合、社員が自分で契約して会社から3万円分の住宅手当を受け取るのと、会社が借上げて社員の給与から自己負担分である3万円を差し引いて支給するケースを考えてみましょう。
住宅手当を受け取ると、その金額は給与とみなされるため総額に対して所得税がかかってしまいます。
一方の借り上げ社宅は、社員の負担がない無償貸与の場合は家賃相当額に対して所得税がかかりますが、家賃の50%以上を社員が負担すれば所得税は非課税となるのです。
しかし自己負担が50%以下の場合は、その金額と家賃との差額に対して消費税が発生してしまいます。住宅手当や家賃相当額が50%以下だった場合は厚生年金および健康保険の負担も増加するため、社員の手取りは減少して会社側の社会保険料負担額も増加してしまうので注意しましょう。
簡単に言えば、社員が住んでいる物件に対して50%以上自己負担している場合は、住宅手当を支給するよりも会社が借り上げた方が互いに得をすることになるのです。
しかしいくら得になるとは言っても、会社が借り上げると担当部署の業務もかなり増大してしまうため生産性が落ちてしまうという心配もあります。
福利厚生や会社の社会保険などコスト面で考えてもメリットが大きいのですが、この点が問題視されて借上げ社宅に踏み切れない会社も多いのではないでしょうか。
そんな時に役立つのが、社宅代行サービスの利用なのです。
社宅代行サービスは、その名の通り社宅に関する様々な業務を会社に代わって行ってくれる代行会社のことを指します。
社員が入居する物件探しから実際の契約手続き、解約時の手続きに家賃送金などさまざまな雑務を行ってくれます。社宅代行を依頼すれば実務的な社宅管理を全て任せることができるため、人事部など会社側は余計な業務が増えることもありません。
本来会社内でやるべき業務をアウトソーシングするため費用がかさみそうですが、担当部署の業務を大幅に削減することができるため、人件費を節約して本来の業務の生産性をアップさせることもできます。
賃貸契約にはトラブルが起こりやすいですが、不動産や賃貸契約のプロである代行会社に任せることができるのでそういった点も心配ありません。
さらに、近年特有の問題としてマイナンバーの導入も挙げられます。税務署に提出する支払調書にもマイナンバーを記入しなければならないのですが、社宅ごとにマイナンバーを確認して記入するなど個人情報の管理や業務も非常に煩わしいものです。
こういった社宅管理を専門とした社宅代行サービスに依頼することで、単にコスト的な面で得をするだけではなく、業務量や知識などの様々な面でもメリットを得ることができるのです。
このようなメリットを重視し、近年は社宅代行サービスを活用する企業が増えています。しかしニーズが高いだけあって様々な社宅代行業者が登場しており、サービスの内容やクオリティに差が出てきています。
大満足の管理を行ってくれる業者もあれば、料金設定やサービスの幅などが不明瞭でトラブルになってしまう業者もあるため、正式契約する前に複数社のサービス内容をしっかり比較検討することが重要です。
住宅手当や社宅に関して悩みを抱えている企業は、社宅管理のプロである社宅代行サービスの利用を検討してみると良いでしょう。
社宅代行のメリット
転勤時に人のリソースを無駄にせず効率的に稼働できる
社宅代行とは、その名の通り者た管理業務を外部企業に委託するものです。
社宅を多く管理する必要がある企業は、転勤が頻発する企業が多いと思われますが、転勤時はどの部署も忙しいので、社宅の管理にリソースを取られてしまうと自社の運用に支障をきたしてしまいます。
社宅代行は、社宅を管理するだけではなく、社宅を導入する際の借り上げなども代行してくれるので、満足度の高い社宅を導入しているほか、専門家に依頼することで、より効率よく社宅を準備できます。
信頼できる社宅代行業者が見つかれば、社宅管理業のほとんどを任せることができますが、委託できない業務もいくつかあります。
例えば、物件の下見や社内の稟議申請、明け渡しの立ち会いや解約承認などが挙げられますが、それ以外の業務を委託できれば、大きな業務効率化につながります。
任せられる業務
委託したい業務に合わせて業者を選ぶ
社宅代行サービスに依頼できる業務は、社有社宅であればその資産管理や建物の管理、入居と退去の手続き、入居者への対応などがあります。
借り上げ住宅の場合は、これらのほかに物件情報の提供家賃などの支払管理、資産管理なども加わります。
ただ、事業者によって提供するサービスが異なりますので、依頼したい業務すべての代行を行っていない場合もあるようです。
また、借り上げ住宅の管理を依頼したい場合は、事業者がいかに多くの物件を所有しているかという点も重要になります。
委託したい業務やニーズに合わせた社宅代行サービスを選ぶことが重要です。
導入までの流れ
アウトソースする目的を明確にした上での導入を
社宅代行サービスを導入する流れとしては、まずはめぼしい事業者を見つけてコンタクトを取り、業務内容や物件情報を聞いた上で、依頼したい代行業務とのすり合わせを行います。
見積もりを出してもらい、内容に納得したらサービスを申し込んで、最後のすり合わせを行った上で契約を締結します。
社宅代行サービスを利用する上で、何が1番の目的なのかという点を明確にしておくことはとても大切です。
コスト削減が目的の場合は、委託する業務が多くなればなるほど費用もかかりますので、結果的にコストパフォマンスがよくないということになってしまうケースも少なくありません。
アウトソースすべき業務と、自社で行える業務を選別した上で事業者に問い合わせをしてください。
社宅代行業者の選び方
社宅代行サービス選びは実績が要
どのようなサービスでも同様ですが、コストだけを重視して決めてしまうと、安かろう悪かろうということになりかねません。
社宅代行サービスを選ぶ上で重要なのは、ずばり「実績」です。
実績は信頼と比例しますので、豊富な実績を持っている事業者は、信頼して依頼でいるということにつながります。
事業者のホームページなどで実績を確認できるようであればぜひしておきたいですし、確認できない場合は直接問い合わせて、事業運営年数やこれまでの受託件数などを確認しましょう。
そのほかに抑えておきたいポイントは、会社が委託したい業務と、社宅代行サービスの得意とする業務がマッチしているか、費用が明確であるかなどという点が挙げられます。
またよい物件を所有しているかという点も重要ですね。
これらを確認した上で、契約を検討してください。
マイナンバー制度の影響
マイナンバー制度は社宅代行サービスにも影響大
2016年から施行されたマイナンバー制度は、社宅代行サービスにも大きく関係しています。
一見関係性は薄いように思われますが、年間の家賃支払額が15万円を超える場合には、税務署に使用量の支払調書を提出することが義務付けられていて、この支払調書に貸主のマイナンバーを記載する必要があるからです。
借り上げ住宅の貸主が故人の場合、大家さんにマイナンバーの提出を求めなければなりません。
社宅数が少ない企業は別として、全国にたくさんの社宅がある企業になると、社宅代行サービスに大きな負担がかかってしまいます。
この場合は、マイナンバーの管理においてはその分野を専門とする業者に依頼するという方法があります。
ただ、マイナンバーの管理代行業者はコストがかなりかかるところも多いので、コスト削減を重視したい場合はマイナンバーの管理システムを導入している社宅代行サービスを利用するとよいでしょう。
サブリース新法の影響
一般的な社宅管理代行はサブリースに該当しない
サブリース契約のトラブル防止を目的に2020年12月より「サブリース新法」が施行されています。 ほとんどのサブリース契約は賃料固定型が採用されており、オーナーにとって比較的リスクの少ないとされています。
しかし、契約時や広告の不明確・説明不足によってトラブルになるケースも多いのが現状です。そこでオーナーを守るためにサブリース新法が施行されています。 定められているのは誇大広告の禁止・不当な勧誘の禁止・重要事項の説明です。
対象になるのは「サブリース事業者」と称する特定転貸事業者もしくは、 サブリース事業の勧誘者。 そのため、一般的な管理部分のみを行う社宅代行業者であればサブリース業者や勧誘者には該当しません。
その場合は、サブリース新法の概要について理解はしておく必要があるものの、影響は受けづらいと考えられます。
ただし、一括借り上げを行う場合はサブリースに該当するケースが多いので新法に則った業務の実施が必要です。
社宅管理システムとは
より効率化を図るなら社宅代行サービスが吉
自社で社宅管理業務を行うためのソフトウェアとして、「社宅管理システム」があります。
導入することで社宅を検索できたり、入居状況を管理できるなど、パソコン上で社宅を管理することが可能です。
ただ、社宅管理システムはすでに出来上がったシステムであることが多く、それぞれの企業に合わせて作られていないため、機能に物足りなさを感じたり、当然ながら対面で行う必要がある手続きや交渉などをすることができません。
社宅管理に関するトータル的なコスト削減や効率化を図るのであれば、やはり社宅管理代行サービスを利用するのがおすすめです。
用語集
社宅管理に必要な用語
社宅管理においては専門的な用語を使用することが多々あります。
例えば「借り上げ住宅」は、自社が所有している社宅ではなく、すでにある賃貸住宅を企業が借り上げて社宅にしている物件のことです。
「サブリース」は、アパートやマンションのオーナーから物件を借り上げた、不動産会社が賃貸運営を代行するサービスをいいます。
ほかにも社宅管理を行う上で必要となる用語がたくさんありますので、代行サービスに依頼するとしても、ある程度理解しておいたほうがよいでしょう。
社宅「代行」と「転貸」の違いは?
「転貸」ってどういうこと?
社宅代行サービスのほかに、「転貸システム」というシステムがあります。
これは簡単にいうと「又貸し」のことで、借りた物件をさらに別の人に貸すことを指します。
転貸は一般的な賃貸住宅では禁止されている場合がほとんどですが、対企業の場合は転貸システムを導入している社宅代行会社もあるようです。
社宅代行会社が借り上げた住宅を企業に貸すことで、敷金の負担が不要だったり、借り主を一社にまとめることができるなどのメリットがあります。
社宅代行サービスと転貸システムのどちらがコストがかからないかというと、費用だけなら社宅代行サービスのほうが安価ですみます。
ただ、転貸であれば面倒な手続きなども社宅代行会社が行ってくれるので、費用は高くなりますがリスクを軽減できることから、最近導入する企業が増えてきています。
捺印代行と代理捺印
「捺印代行」と「代理捺印」には細かいですが、違いがあります。
「捺印代行」は捺印そのものを代行してもらうこと、「代理捺印」は代行業者が代理人となって捺印することです。
社宅代行では、どちらが適しているのか確認しておきましょう。
社宅代行にまつわるよくある質問
社宅代行サービスQ&A
労働時間とコスト削減のために社宅代行サービスを利用する企業がほとんどだと思います。
企業で社宅管理を行う時間をどのくらい削減できるか考えた場合、委託する業務にもよりますが、労働時間を大幅に削減することが可能です。
もちろん依頼する事業者によっても変わってきますので、複数の事業者に問い合わせ、見積もりを取って比較検討するのはマストです。
そのほか、社宅代行サービスにおける疑問点を取り上げ、Q&A形式でご紹介しています。
社宅を自社管理する場合に必要な業務フローを解説
社宅を自社管理する場合に必要な業務は多々あるのですが、その内容は他の管理者がいる物件を借り上げる場合と自社で土地や建物を保有する場合とでは若干異なります。
ここではそういった違いなども含め、社宅を自社にて管理する場合に行わなければならなくなる業務フローについて解説をしていきます。
ここで紹介をする内容を踏まえた上で自社管理を行うのか、それとも管理代行業者に依頼をするのかお決めになられるのも良いかも知れません。
社宅代行サービス事業者協議会
社宅代行におけるルール統一を目的に設立
社宅代行サービス事業者協議会は、社宅や感謝の管理ルールを統一し、賃貸住宅市場の整備を目指していくことを目的として2016年に設立された団体です。
調査や研究をしながら、社宅代行サービスの業務改善を行うことで、より質の高いサービスを提供していけるように活動しています。
社宅代行利用時の保険の取り扱いは?
保険を含めて代行を依頼できる事業者が多い
社宅代行サービスは、その多くが火災保険や賠償保険を取り扱っていて、それらの保険を含めて代行を依頼できるので、保険加入の面においてもとても便利です。
社宅で火災などの災害が起こった場合、従業員に債務不履行責任は生じませんが、借り主と契約を交わしている企業側には生じますので、保険には必ず加入しておきましょう。
保険にはいろいろな種類がありますが、社宅代行で依頼する際には「包括保険」がおすすめです。
社宅管理業者の繁忙期について解説
社宅管理業者への依頼をする際に注意したいのが、繁忙期。引っ越し業者と似ている点もあり、オンシーズンとオフシーズンを理解することでワンポイントでの利用がスムーズになります。知識の一つとして確認しておいてください。
社宅管理業者と物件紹介について解説
社宅管理業者に物件紹介をしてもらうことは可能です。社宅管理業者に物件を紹介してもらう際のポイントをまとめました。
役員社宅
役員社宅のメリットをご存じでしょうか?
役員社宅は福利厚生の一環としてでなく、節税効果も期待できると注目を集めています。
ただし、きちんと役員社宅を行う上でのポイントをおさえなければ、逆にデメリットになってしまう可能性もあるので、注意しましょう。
社宅代行システム「借上くん」とは?
「借上くん」とは宇部情報システムがシステム開発した、低コストで社宅管理ができるシステムの名前です。
借上社宅に関する契約管理、不動産使用料などの支払い調書の作成、入居者の給与控除額を集計できる給与控除などの機能が集約されています。
社宅代行サービス検討で
注目すべき資格について
社宅代行サービスを選ぶ際に見てほしいポイントが「専門資格」。住宅管理業務に欠かせない、契約に関わる独占業務を担当する「宅建士」はもちろんのこと、社宅代行業務を請け負うスタッフがどの程度の知識を有しているのか判断するために、資格をチェックしてみましょう。
社宅代行サービスを選ぶ際に注目すべき資格として、社宅の多くは集合住宅のタイプになることから「マンション管理士」、社宅が加入すべき保険についての知識を有する存在として「ファイナンシャルプランナー技能士」、その他税制優遇といった税制度全般については「税理士」、建物そのものに不備が無いかを確認してもらうために「一級建築士」といったものが挙げられます。
物件の内覧サービスについて
物件を契約する場合には内覧を行い、実際の状況や周辺環境などをチェックすることが大切です。内覧が難しい場合には社内規定に合っているか、グーグルマップなどを活用するなどの対策を講じましょう。また現況優先となるので、本当に情報が合っているかの確認も必要です。