海外駐在員の社宅や住宅手当
海外駐在員の社宅を用意することになったとき、手続きは国内と同じ方法であるのか悩むのではないでしょうか。ここでは、駐在員に支払う諸手当などについて解説します。
本記事では、海外現地企業による現地採用ではなく、国内企業からの海外赴任を対象として解説しています。
海外駐在員への手当
海外駐在員への手当は、「住宅」や「単身赴任」など、国内勤務時と同様に、該当する手当を保障します。そのうえで、海外赴任手当を支給するのが一般的です。
海外赴任手当(海外勤務手当)
海外赴任者にインセンティブを与えることを目的に支給されるもので、多くの企業で採用している手当です。海外赴任が、本人希望であるか否かにかかわらず支給されます。
海外赴任時の基本給は、原則として赴任先の水準に合わせて支給されます。慣れない土地でのストレスへの補填の意味も込められているのです。
ハードシップ手当
ハードシップ手当は、治安・気候・食生活などを考慮し、生活における危険度や精神的・肉体的負担を補填するために支給される手当です。
ハードシップ手当は赴任先に関わらず、定額で支給されることが多く見られます。家族帯同である場合や赴任期間が長期間に及ぶ場合などは、差をつけるケースもあります。
子女教育手当
現地で子女に教育を受けさせる場合に支給されるのが、子女教育手当です。 海外では、子女が教育を受けられる学校が限られているため、一般的に必要な費用を会社が負担します。
実費を負担する場合もありますが、一部のみ負担するケースや定額で支給するケースもあります。
その他の手当
海外赴任時のその他の手当ては、次のようなものがあります。
- 現地役職手当
- 単身赴任手当
- 時間外労働手当
- 一時帰国手当
- 住宅手当や車両手当(現物支給が多い)
赴任先や期間・家族帯同の有無などを考慮して決定するとよいでしょう。
海外駐在員の社宅や住宅手当
海外駐在員の社宅や住宅手当の支給は、福利厚生施策として国内勤務と同様に扱うことが可能です。企業が現地の賃貸物件を借り上げて支給することが多いようですが、なかには住宅手当を支給するケースもあります。
注意するポイントとして、現地の法律に基づいて税務処理を行うことが必要です。居住費用は本来、駐在員自身が負担するべき費用と解釈されるため、無償で提供すると給与課税の対象です。
また、社宅の家賃や住宅手当の額は、現地の物価や生活費、その他に支給している手当を考慮して設定します。海外駐在員に現地の生活について話を聞き、国内勤務と比べてどの程度の負担が生じているかを調査し、負担を軽減できる費用の提供を行うとよいでしょう。
海外赴任のサポート
海外の賃貸物件の契約をサポートするサービスがあります。海外駐在員にとって本業に専念するためにも、気持ちよく暮らせる住宅は欠かせない存在です。
しかし、慣れない土地での住宅探しは容易ではありません。不利な契約にならないように、また生活しやすい場所で賃貸物件を見つけられるようサポートを専門家に依頼するとよいでしょう。
海外赴任サポートをしている企業では、家賃相場を把握し契約内容のチェックや交渉、入居後・退去後のアフターサポートなどのサービスが充実しています。
オフィスから近く、同時期に赴任するスタッフがお互いに近い場所に滞在できるよう配慮するなど、希望の条件で賃貸物件を見つけたい場合に役立ちます。