不動産での社宅物件の探し方
社宅制度は従業員がリーズナブルに住めるだけでなく、会社としても節税効果などのメリットがあります。ここでは、社宅として利用する不動産物件の探し方を紹介します。社宅物件の選び方を理解して、自社にあった社宅を見つけましょう。
1.希望条件をまとめる
社宅向け物件を探す上でまず欠かせないのが、「どのような社宅が欲しいか」という希望条件をまとめておくことです。 特に、建物を土地ごと買い取る或いは真新しい建物をゼロから建てることで社有社宅とするのか、既存の物件を借り受けることで借り上げ物件とするのかによっては、初期費用や維持費、後々の資産価値などが異なってくるため慎重に検討しましょう。 また、社宅選びにおいては立地条件も非常に重要です。なぜなら、例えば家賃補助や住宅手当などの場合は従業員は自由に部屋を探せますが、社宅の場合は従業員は決められた建物に住まなければなりません。 立地条件が従業員にとって魅力的でなければ、入居者が集まらなかったり、集まったとしても満足度が低かったりと、真の意味での福利厚生を実現できない可能性があります。職場へのアクセスの良さや、周辺環境の充実度合いなど、入居者の視点に立ってより良い物件を選びましょう。
2.物件を見つける
物件の希望条件が出揃ったら、実際に希望に沿う物件を見つけます。 物件オーナーと個人的なコネクションがある場合などを除いて、不動産会社を通じて社宅向け物件を斡旋してもらうケースがほとんどです。 個人向けの一般住宅と異なり、法人向けの社宅物件は全ての不動産会社が取り扱っているわけではありません。 インターネットなどを使って検索すれば、社宅向け物件を取り扱っている不動産会社は数多くヒットしますが、どのような基準で業者を選定すればよいか分からない方も多いかもしれません。 不動産会社選びに困った場合は、社宅物件の斡旋実績で比較することをおすすめします。 一般的に比較しやすいのは費用面ですが、あまりにも低コスト性を重視しすぎると、賃貸契約後や入居後にトラブルが見つかる可能性もあります。安易にコストで比べるよりも、実際に何件の社宅向け物件を紹介したことがあるかという実績を基準として不動産会社を比較するのが良いでしょう。
3.(借り上げ社宅の場合)会社名義でオーナーと賃貸契約を結ぶ
希望通りの社宅向け物件を見つけたら、物件オーナーとの間に会社名義で賃貸契約を結びます。 そのため、家賃の支払いに関しては、一旦会社の負担で大家や仲介会社に支払いを済ませ、その後入居者から賃料相当額の50%以上を徴収します。 入居者からの徴収額が賃料相当額の50%未満の場合、会社の負担額を福利厚生費として計上できなくなります。そうなると、会社負担額は入居者すなわち従業員の給与の一部として扱われるため、従業員の所得税や住民税の課税対象になるだけでなく、会社にとっても社会保険料の算定に影響するためデメリットが大きいです。入居者から徴収する家賃は、必ず実質の賃料相当額の50%以上に設定するよう注意しましょう。