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社宅管理規定について

社宅管理規定を作成する際の必要事項や注意点について解説。また参考例文も紹介しています。

社宅管理規定作成の目的と注意点

ペンと書類の画像

社宅は利用するのが従業員だけといっても、ルールや決まりが無ければトラブルが発生してしまいます。

そこで、トラブル防止や入居手続きをスムーズに行うことを目的とした社宅管理規定の作成が必要になります。

特に明確にしておきたいのは入居資格、使用料と負担方法、入退去の手続きについての項目です。

入居資格

「独身者のみを対象とする」、「配偶者や扶養者がいる場合は、同居人として何親等まで認めるか」といった入居者の制限を定めます。また「独身者や、〇親等といった条件をクリアしている従業員なら誰でも受け入れる」というのではなく、「距離的に自宅からの通勤が困難なものに限る」「入居者は定期的に実施する抽選で決定する」など、さらに他の条件をつけての入居者の選考がある場合はその旨も記載して、従業員が不公平感を持たないようにすることが重要です。

入居申し込みの方法

社宅に入居を希望する人はどんな手続きをとるべきか、という点も明記しましょう。

「社宅入居申込書に必要事項を記入し、総務部に提出する」など、具体的な内容にするのが好ましいです。

使用料と負担方法

使用料とは家賃のことですが、借上げ社宅の場合は月額賃料の何%といったルールを決める必要があります。また、仲介料や敷金・礼金や会社負担で、水道光熱費や町内会費・火災保険は入居者負担とするなど、負担する範囲を明確にしておかなければなりません。

また、「使用料は給与からの控除となる」「月の途中から入居した場合の使用料は日割り計算になる」などという点についても記しておきましょう。

あと、使用料にまつわる件としては、もうひとつ「使用料を月額賃料の何%に設定するのか」という点についても注意しなければいけません。

従業員からすれば「使用料は安ければ安いほどいい」と思ってしまいますが、あまりに低すぎる%で設定してしまうと、税法上で、本来の月額賃料との差額分が「収入」として見なされ、所得税・住民税の課税対象となってしまうことがあります。

参考:国税庁公式HP No.2597 使用人に社宅や寮などを貸したとき(https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2597.htm)

もちろん、こうした課税に関する事情を規約に書く必要は全くありませんが、規約に納得してもらうための根回しは大切です。「課税対象にしないために、この使用料にする」ということを説明した上で理解を求めましょう。

入退去の手続き

入居が決定してから入居するまでの期限や、期限までに入居しなかった場合の入居取り消しの可能性の有無、入居誓約書の提出が必要かどうか、居住できる期間などを明確にします。社宅は、一般的には「契約期間が終了すれば退去」という形になるものが大半ですが、中には「契約期限終了後は、月額賃料は全額従業員側が負担するという条件で、個人契約に切り替えることができる」というものもあります。

この場合は、その旨も明記しておきましょう。 ちなみに、「個人契約にせず、そのままの条件で契約を更新する」という考えもないわけではありませんが、たとえ会社都合での転勤による社宅住まいであっても、住居費の優遇状態があまりにも長く続くことは、「社宅を利用していない、利用できない」という立場の従業員の不公平感を招きやすいので、あまりおすすめはできません。

また、退去については、退去事由によって個別に退去期限を定めたり、退去の申請方法や、退去時の会社の立会いの有無なども記載。原状回復義務についても記載して責任範囲を明らかにします。社宅管理規定は社有社宅と借り上げ社宅では管理項目も違いますし、会社独自のルールがある場合は、項目に入れておくことが必要になるでしょう。想定範囲を広げて、問題が起きないように作成することが重要です。

規定違反があった場合の対処

問題を回避するために、規定で様々なルールをきちんと決めることは非常に重要ですが、たとえ綿密にルールを決めたとしても、「それを守らなかった場合はどうなるか」という記載がなければ、入居者の質によってはルール違反に歯止めがかからなくなってしまう可能性があります。

ですから「この規程に違反し、退居を命じられたときは、期限○日」など、たとえ退職・解雇・転勤・死亡などといった事情がなくとも、重大な規定違反があった場合は、会社側が立ち退きを命じることもできる、という趣旨の文言は明記しておきましょう。

また、さらに規定の安全性を高めたいなら、その際の立ち退き料や引越し費用について、会社は一切負担しない、という趣旨の文言を入れておく、というのも有効です。

その他、記載しておきたい事項

その他、社宅管理規定に記載しておきたい事項としては、以下のようなものがあります。

社宅管理規定の第1条に、目的として「この規定が社宅の管理や運用に対するものである」という趣旨の文言を盛り込む。どの会社の社宅の規定なのかが一目で分かるよう、「株式会社◯◯の社宅」といった形で記すのが好ましい。

社宅管理規定の附則として、その規定が何年何月何日から実施されるのかを記しておく。

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社宅管理規定の変更時に注意すべき5つのポイント

書類を書く男性の画像

社宅管理規定を変更する場合、トラブルを回避するためにも抑えておきたい5つのポイントをご紹介します。

1.労働基準監督署への届出を忘れずに

社宅管理規定変更の際、その全てを代表の決定・労働組合・労働基準監督署に提出という手順を踏むと時間や手間がかかってしまうため、社宅に関する変更は社内だけで完結する考えが一般的です。

しかし、社宅管理規程を見直す際に労働時間や賃金、賞与などの変更点が出てきた場合は労働基準監督署への届出が必要になります。

労働基準法第89条に定められている絶対的必要記載事項、相対的必要記載事項の変更は、パート・アルバイトを含む社員数が10名以上の場合、届け出ることが義務付けられていますので、社員間で変更点を共有するだけで終わらせないように注意しましょう。

その際に組合代表や代表社員の意見書が必要です。社宅管理規程の変更の素案とともに提出しましょう。

参考:総務省 e-Gov法令検索(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=322AC0000000049)

社宅代行サービスを行う会社に依頼すれば、その素案のデータを送信してもらえますし、今後の会社運用やさらに変更が必要になった場合にも役立ちます。

2.原案を作成して抜けをチェック

社宅管理規程の変更内容の原案を作成します。この原案に不公平な点がないか、漏れがないかなどの確認を忘れずに行いましょう。

社内だけで終わらせてしまうと、文章抜けや不公平の発生、などのトラブルの原因につながります。

社宅代行会社など、第三者に依頼して確認をすれば変更の流れがスムーズです。

その後確認が取れたら再度社員で内容を共有し、必要があれば意見書とともに労働基準監督署に提出します。

社宅代行会社では、社宅管理規程の変更の際によくあるトラブルや抜けなどをしっかりチェックしています。

また、めんどうな手続きや届出を任せることもできるので、業務が忙しい、社員が少なくて変更手続きを任せられない場合は利用してみるのも一つの手です。

3.社員に納得してもらう必要がある

まず、社宅管理規定を変更するにあたり社員全員が納得する理由を用意しなければいけません。

誰かが不利になったり、一定の社員だけが利益を得るような変更内容では会社の中で亀裂が生じます。

勤続年数が長い社員はいい物件を選べる、課長以上のランクの社員は上限が増えるなど、ハッキリとした線引きをしておくことで後々のトラブルを防ぐことができます。

それでも、社員間の不満の声が上がりそうな場合は、社宅管理規定を変更する前に社員にアンケートを取る、不公平にならない条件をつけるなどしておきましょう。

変更の手続きの前に説明会を行うのもおすすめです。異議のある社員がいる場合は、きちんと話を聞き、個別面談などで説明、納得してもらう必要があります。

変更後はきちんと社員全員に変更点が伝わるように書類やメールを作成しましょう。

4.社員が理解できるよう変更点をまとめる

社宅管理規程の書類には漏れがないよう、また社員全員がしっかり理解できる内容にまとめる必要があります。

変更をした目的、新たな入居資格、入居申込みに必要な条件、必要な手続きやそれに伴う期限、入居の期間、使用料、諸費負担料、敷金、礼金、退去費用や退去までの期間、退去事由などを簡潔にまとめた書類を作成しましょう。

この場合も、社宅代行サービスを利用すれば分かりやすい書類を作成してくれます。

5.必要があれば入居誓約書も変更を

入居誓約書に入居に関する必要事項を記載している場合、変更があったら必ずこちらも内容を見直しましょう。

変更に関する届出を提出し、社員全員にも説明をしているにもかかわらず、この誓約書をそのままにしていると、トラブルを招く場合があります。

変更点がある場合は、雛形を書き直すか、誓約書はシンプルなものにして別紙で入居に関する必要事項を添えるなどの工夫も必要です。

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社宅管理規定の参考例文

借り上げ社宅を前提とした社宅管理規定の参考例文を紹介します。

これをベースにして自社用に修正すれば完成するようになっていますので、ご活用ください。

第1条(目的)

この規定は、株式会社◯◯の社宅の管理及び運用について必要な事項を定めたものである。

第2条(入居資格)

社宅の使用できる者は配偶者または同居する3親等以内の家族がいる社員および独身社員とする。

第3条(入居申込み)

社宅の入居を希望する者は社宅入居申込書に必要事項を記入した上で総務部に申請するものとする。

第4条(入居手続き)

入居を許可された者は入居誓約書を提出し、指定の期日まで入居しなければならない。入居期日までに入居しない場合は、入居を取り消すことがある。

第5条(入居期間)

入居期間は原則として入居してから◯年までとする。期限が満了した場合は直ちに退去しなければならない。

第6条(使用料)

使用料は月額賃借料の◯◯%とし、当月分給与から控除するものとする。月の途中で入居または退去する場合は日割り計算をする。

第7条(費用負担)

入居者は下記の費用負担しなければならない。

・電気、ガス、水道使用料
・町内会費
・その他会社が入居者負担と認めた費用

第8条(敷金・礼金)

社宅の仲介業者に支払う仲介料、家主に支払う敷金・礼金は会社が負担するものとする。

第9条(退去の手続き)

入居者は社宅を立ち退く場合は◯◯日前までに所属長を経由して総務部に届け出なければならない。退去する時は会社立会いの上明け渡し、原状に回復して確認を受けるものとする。

第10条(退去事由)

入居者は次の各号に該当する場合は特別の事由がある場合を除いて定められた期限内に退居しなければならない。

  1. 退職または解雇されたとき 期限○○日
  2. 転勤または転居のとき 期限○○日
  3. この規程に違反し、退居を命じられたとき 期限○○日
  4. 入居者死亡のとき 期限○○日

附 則

この規程は、平成○○年○○月○○日から実施する。

社宅代行サービスの利用で社宅管理規定を効率化しよう

社員数や転勤が多い企業の場合、従業員の福利厚生を充実させるという意味でも、引っ越しや転勤に伴う社員の負担を軽減するという意味でも、社宅の利用が効果的です。

ただし、社宅に関するルールをきっちりと定めていないと、後々社員間で家賃の負担割合や選べる物件に差がついてしまい、不公平感が生まれてしまいます。

衣食住のひとつである住環境で社員が不公平感を覚えてしまうようになれば、転職や離職のリスクも高くなってしまうでしょう。

社員間のトラブルはもちろん、入退去に関わるトラブルを予防するためにも、社宅を利用する場合は社宅管理規定づくりをおすすめします。

とはいえ、社宅管理規定は社員全員に関連するルールなので、会社側が一方的に決めてしまうのも問題です。

それに、一度社宅管理規定をつくったら、社員が入退去するごとに各規定を守ることができているかもチェックしなければなりません。

その点、社宅代行サービスを利用すれば、書類の作成、原案のチェック、変更点を分かりやすく説明する社内文書づくりをはじめ、日々の社宅管理業務まで任せることができます。

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